Takoyaki
Web Developer
この記事では、最近注目を集めている「ヘッドレスCMS」について解説します。特にWordPressとの違いを中心に、技術的な特徴を分かりやすく説明していきます。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、Webサイトのコンテンツを簡単に更新・管理できるシステムのことです。一番有名なのは、みなさんご存知のWordPressですよね。
HTMLやCSSの知識がない人でも、ブログ記事などのコンテンツを簡単に更新できるので、コーポレートサイトやメディアサイトに導入されることが多いです。
両者の違いをとても簡単に説明すると、以下のような違いがあります。
WordPressは、コンテンツの「管理システム」と「見た目」が一体となっています。
一方で、ヘッドレスCMSは、コンテンツの「管理システム」と「見た目」が完全に分かれています。
化粧水も乳液も美容液も全部1つでOKの、オールインワン美容液なのか。
化粧水と乳液は適当なメーカーのでいいけど、美容液だけはこだわりたい!って感じで、分けて使うのか。
オールインワン美容液は楽だけど、お肌トラブルが出てきたら全部取り替えなきゃいけない。
分けて使うのは面倒だけど、お肌トラブルが出たときに、合わなかった美容液だけ変えればいい。
そんな感じです…(適当w)
ヘッドレスCMSのメリットは大きく4つです。
管理システムと見た目の部分(フロントエンド)が完全に分離されているため、フロントエンド側の技術選定が自由自在です。
例えば、同じコンテンツ管理システムを使用していても、フロントエンドは開発チームの得意な技術や、プロジェクトに最適な技術を選択できます。
具体的には以下のような構成が可能です:
このように、コンテンツ管理の仕組みを変えることなく、フロントエンドの技術を自由に選択できます。
従来のCMSでは、サイト全体をCMSで管理する必要がありましたが、ヘッドレスCMSではコンテンツごとに必要な部分だけをCMS化できます。
例えば、ブログ記事とお知らせの記事だけをCMSで管理し、他のページは静的なHTMLで作成することもできます。
APIを通じてコンテンツを取得できるため、様々なプラットフォームで同じコンテンツを効率的に活用できます。これはマルチプラットフォーム展開において大きな強みとなります。
コンテンツの活用例:
管理システムとフロントエンドの分離により、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
従来のCMSだと、管理画面・データベース・見た目の部分など、サイトを表示するのに必要なシステムが全て一体化されているので、1箇所でも攻撃しやすい場所があれば、サイト全体に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があります。
一方でヘッドレスCMSだと、管理システムと見た目の部分がそれぞれ独立しており、攻撃者にとっては攻撃しにくい構造となっています。
仮に、CMSの管理画面への不正アクセスがあったとしても、Webサイト自体への影響を最小限に抑えることができます。
例えば、ブログのみCMSで管理しているとすれば、ブログ記事だけがおかしくなり、他の見た目の部分への影響はありません。
フロントエンド側の実装が独立しているため、デザインの変更や改修が容易です。
具体的には、フロントエンド側の改修を行なっても、コンテンツへの影響はありません。
コンテンツ管理システムの仕様を気にせずに、デザイン改修ができます。
ヘッドレスCMSにも、いくつかのデメリットや課題があります。
従来のCMSと比べて、システムの設計や構築により多くの工数が必要です。
WordPressであれば、管理画面からテーマをインストールするだけで基本的な機能が使えますが、ヘッドレスCMSの場合は:
システムの構築や運用に、より高度な技術力が求められます。
この記事では、ヘッドレスCMSについて解説してきました。ポイントを整理すると:
ヘッドレスCMSとは?
主なメリット
ヘッドレスCMSは、特にマルチプラットフォーム展開を予定している場合や、高度なカスタマイズが必要な場合に、その真価を発揮します。
一方で、初期構築のコストが高いなどのデメリットもあるため、プロジェクトの要件や予算に応じて、従来のCMSとヘッドレスCMSを適切に使い分けることが重要です。